夕食後、あなたの家族はどこでくつろいでいますか?
「子供が小さい頃は、食事がすんでもおしゃべりしたり、揃ってリビングでテレビを見たりしていたのに、今ではさっさと自分の部屋に消えていく…」
「共働きで食事の時間もバラバラ。自分たちの未来についてゆっくり夫婦の会話を楽しむことも少ない…」
子供が大きくなるにつれ、家族はそれぞれが自分の部屋で自分の時間を過ごすようになり、いっしょに過ごす時間は少なくなりがちです。
なぜ、みんなのリビングに家族が集まらないのでしょうか。
こんにちは!
住まいと暮らしのコンサルタント くらリノ です。
リビングに家族が集まらないのは、もしかしてリビングが家族にとって魅力を感じない場所になっているのかもしれませんよ。
子供の成長とともに、家族のつながりが減ったと感じ寂しく感じている方のために、リビングを、家族が自然と集まるような居心地の良い場所にするコツをお話ししていきますね。
目次
いちばんの「家族団らんの場」こそ、リビング
家族にとって住まいは、寝るためだけ、食事をするためだけのものではありません。
- それぞれの時間を確保し、家族いっしょの時間も楽しむ。そんな過ごし方ができる空間
- 違うことをしていても、家族のつながりが感じられる空間
リビングを家族団らんの場所にするためのポイントは次の3つ!
- 集まるための工夫
- くつろぐための工夫
- 会話を楽しむための工夫
それぞれについて、次から詳しく述べていきましょう。
家族が“自然と集まる”ための配置と動線
家族が自然と集まる空間には、ファミリースペースだけでなく、パーソナルスペースも確保できる「広さとスムーズな動線」があります。
そのためには、家族を引き寄せるような仕掛けをつくりましょう。
- 家族それぞれが楽しめる居場所をつくる
- 同じ時間を共有できる空間をつくる
リビングにいることが必然となるような仕掛けがあれば、家族は自然と集まってきますよ。
家族それぞれが楽しめる居場所をつくる
干渉され過ぎず人の気配を感じられるリビングが、長時間家族がいっしょに居られる秘訣です。
それぞれ、思い思いの使い方で楽しめる!
- てきぱき家事をすませ、ゆっくりお気に入りのハーブティを飲みながら過ごすお母さん
- 1日の疲れを癒やすように、ごろんと横になって野球を観ているお父さん
- 話題のマンガを一気に読んで盛り上がっている子供たち
楽しみ方は違っても、ゆっくりくつろげるソファはみんなのお気に入りの居場所!
リビングにソファが必要というのは思い込み!
LDKがあまり広くない場合は、思い切ってソファをなくしましょう。
- 思い切り寝転がれるラグマットやリビング畳
- くつろぎ感のある大きなダイニングテーブル
ソファがない分スペースにゆとりができ、みんながゆったり過ごせます。
家族が各部屋に散らばらないための、ほどよい距離感!
その日の気分や状況で、家族がいっしょにいるからといって、必ずしも会話を楽しみたいとは限りません。
それぞれの距離が近すぎると、圧迫感を感じたり落ち着かなかったり、反対に距離がありすぎることで疎外感を感じることにもつながります。
- 家具の配置やレイアウトを工夫して、広々と使えるようにする
- 人が集まりやすいような動線を確保して、家族が動きやすくストレスを感じさせない
いっしょにいても相手の存在が気にならない、そんなゆとりある居心地の良い距離間が大事です。
同時に、誰かの趣味に偏った部屋にならないよう、リビングの空間づくりについて話し合ってみてはいかがでしょう。
同じ時間を共有できる空間をつくる
リビングダイニングで「食」を共有
同じスペースや時間を共有することで、家族の一体感が生まれます。
食べることが好きな家庭ならば、食事という共通の目的で、同じ時間を共有できます。
リビングに設けたローテーブルとソファ兼用のいすでテレビを見ながら食事ができ、そのまま移動しなくてもくつろげます。
リビング収納で「趣味」を共有
お父さんの趣味は音楽、お母さんはガーデニング、お兄ちゃんはゲームでお姉ちゃんはマンガ。
趣味はみんなバラバラだけど、それぞれの場所で楽しむよりも、リビングでいっしょに楽しむほうがいい!
CDや本、ゲームソフトなど、リビング収納でみんなの趣味のものをきちんと整理したら、それぞれがもっとリビングで充実した時間を過ごせます。
リビング壁面で「思い出」を共有
家族での旅行や記念日にまつわる写真や小物などは、あちこちに散らすのではなく、一つの場所にまとめましょう。
壁面に写真を飾るなら、カラーよりもモノクロ写真のほうがごちゃつきもなく主張も少ないので、すっとリビングに馴染みますよ。
おしゃれなアートを見るように家族の思い出が彩られ、おしゃべりに花も咲くことでしょう。
インテリアで、どこよりも“くつろぐ”場所にする
照明計画でくつろぎを
リビングの照明は、シーリングライト(天井付けの照明)ひとつということ、ありませんか?
シーリングライトは部屋全体を明るくしてくれますが、壁際のカウンターでパソコンをしたり、本を読んだりする人にとっては明るさが足りなく、目が疲れる原因になります。
部屋ものっぺらとした印象になり、薄暗く感じられます。
そんなときには、センターテーブルに小さめのライトを置いたり、床置きのフロアランプを置くことで部屋に立体感が生まれ、温かみのある暖色のあかりでくつろぎ感もアップ!
色彩計画でくつろぎを
長い時間家族が集まる空間は、使う色を少なくし、明るい色味や落ち着いた色調でまとめましょう。
ホワイトやアイボリー、ベージュ・茶色などナチュラルカラーなら、失敗は少ないです。
床や建具や家具など内装の色を統一し、床→壁→天井と上にいくほど色味を明るくすることで安定感が生まれますよ。
また、クッションなど小物の差し色を替えると、お部屋の印象を変えるのもカンタン!
あたたかみある小物でくつろぎを
日々の疲れやストレスをふっと和ませてくれます。
生命力がある植物には、エネルギーバランスを整えてくれたり、目に与える刺激を軽減する効果も。
部屋を簡単にリフレッシュできる便利アイテムです。
ソファにふんわりと布をかけたり、グリーンの鉢に麻袋を巻くだけでもぐっとお部屋の雰囲気はUP!
1ヶ所に目線を集めるテクニックはぜひ使いましょう。
素敵な絵や写真、掛時計を飾って見せ場を作ることで、多少ごちゃごちゃモノがあふれていても、意外と気にならなくなるものですよ。
“会話”を楽しむためのスペースづくり
同じ場所に家族が集っていても、テレビ中心の部屋にみんながテレビに向かっているだけでは、家族の顔を見ることも少なく会話も生まれにくいですよね。
テレビからの音でなんとなく賑やかな気になって、家族との会話がなかったということ、ありがちです。
テレビだけに「団らん」の時間を任せてしまっていてはいけません。
多目的のカウンターが大活躍
それぞれ忙しい家族が、時にはいっしょの空間でそれぞれ違うことをして、同じ時間を過ごす…
そのために、家族みんなが使える、造り付けのカウンターデスクを設置するのもよいでしょう。
子供が勉強机として使ったり、親がパソコン作業や簡単な家事などにも使えます。
個室にこもる時間が少なくなるので、自然と会話をする機会も増えますよ。
アウトドアリビングで気持ちもリフレッシュ
ベランダやテラス、サンルームなど、内と外とをつなぐスペースがある場合、ここをもうひとつのリビングルームにしましょう。
天気のよい日はアウトドアリビングでティータイムをとったり、バーベキューパーティーをひらくなど、場所が変わることで気分も変わり、家族で過ごす楽しい時間も増えますよ。
まとめ
家の中でリビングがいちばん心地よい空間ならば、自然とリビングに家族は集まり、会話を楽しむ場所になります。
- 家族それぞれの居場所があり、共有できる空間であること
- 長時間一緒に居られる、くつろいだ空間であること
- 部屋の動線やインテリアを工夫して、会話を楽しめる空間であること
我が家のリビングを、家族にとっての世界でいちばん帰りたくなる部屋にしていきましょう!