家の老朽化やライフスタイルの変化から、あるいは長年使いづらさを感じていたため、「そろそろリフォームを」と考えた時、まず知っておかなくてはいけないことがあります。

そのひとつが業者えらび

「だけど、どこに頼めばいいんだろう」
「業者によって違いはあるの?」
「そもそも、リフォームしたことがないから、何から手を付けたらいいのかわからない」

リフォームには新築のように決まった形がなく、ちょっとした補修工事やインテリアの変更から、建て替えに近いリフォーム、リノベーションまで、内容も多岐にわたります。

それだけ、リフォームは難しく、工事内容や依頼先によって出来上がりは全く変わり、満足度も大きく違ってくるのです。

こんにちは!

住まいと暮らしのコンサルタント   くらリノ です。

同じ時間とお金をかけるなら、自分が本当に納得し満足できる住まいにしたいですよね。

今回は、リフォームを考えた時、住まいづくりのパートナーとなる業者えらびのコツについてお話しします。

リフォームの依頼先には、8つの業者がある

リフォームの流れを確認してみましょう。

  1. リフォームの目的なぜリフォームしたいのか、どこをどうリフォームしたいのかを考え、家族で話し合う
  2. 資金計画リフォームのおおよその予算を決めておく
  3. 情報収集雑誌やインターネットでリフォーム業者の情報を集めたり、好みの部屋やインテリアをさがし、イメージ作りをする
  4. プラン依頼3社ほどリストアップし、現場調査をしてもらい、同じ条件でプランと見積もりを依頼
  5. 業者決定:工事契約:見積り書・契約書のチェック、依頼する会社を決め、工事請負契約を取り交わす
  6. 着工:設計図や工程表をもとに、契約通りに工事が進んでいるか確認
  7. 工事完了: 引渡し時には、工事業者立ち会いのもと、手と目でしっかり確認

業者えらびの前に、まずはどんな種類の依頼先があるのかを知っておかないと選びようもありません。

大きく分けると、設計をメインにする人と、実際に施工(工事)する人です。

  • 設計する人建築士のことで、設計事務所だけでなく、工務店やハウスメーカーにもいる
  • 施工する人ハウスメーカーや工務店、建設会社などの工事施工業者のこと

次からは、8つの業者の種類と特徴を詳しくみていきましょう。

①設計事務所

設計事務所は「設計」はもちろんのこと、「工事監理」も担当し、設計図通りに工事が進められているかお客様の代理で確認します。

大掛かりなリフォームの場合、間取りやデザインなど設計段階からこだわりたい方は、設計事務所に依頼するのがいいでしょう。

デザインだけでなく、工法や仕上げなども自由度があり、オリジナルの設計ができることが最大のメリット。

他の依頼先であれば基本的に設計から施工、アフターまで一貫してリフォームを依頼できますが、設計事務所に依頼できるのは設計のみのため、施工業者は別に選ばなくてはいけない

人気のある建築家の場合、予約がいっぱいのため数ヶ月待ちになったり、設計料が高額になることも…。

②職人(大工、ガス・電気・水道の設備、内装など)

実際に住宅工事を行うのは職人です。

おもに、工務店からの依頼を受けて仕事をします。

材料費と職人の日当しか費用が発生しないので、一番安くすむ。単体のメンテナンス工事にはむいている。

初めての依頼だと、腕のいい職人かどうかわかりにくい

さらに住宅工事は、大工、電気工事、塗装、水道設備工事など、複数の職人さんが必要となるため、それぞれ別々に依頼しスケジュールを調整したり管理することは大変困難です。

③工務店、建設会社

それぞれの職人をまとめて工事全体を管理し、リフォームを完成させます。

質の良い工務店とは、腕の良い職人を抱えている工務店ということでもあります。

自社で設計から担当する会社もあれば、提携している設計事務所に従って工事のみを行う会社もあります。

工事の管理だけでなく、保証などのアフターサービスも行っており、質の良い工務店に頼めば、価格を抑えて良質なリフォームをしてもらえる。

また、会社の評判を集めやすい、安心のアフターケアを受けやすいなど、地元密着の利が活かせる。

工務店のほとんどは大企業ではなく広告も出していないので見つけにくい、質の判断が難しい


④大手ハウスメーカー

ハウスメーカーは「家を売る」ことを目的としていて、実際の施工は下請けの工務店が行うことがほとんどです。

新築だけでなく、たいていのハウスメーカーは、子会社もしくは事業の一部でリフォームサービスも展開しています。

会社としてブランドイメージが確立しているので、安心感がある。

営業費、広告費など工事以外の経費がかかり、工事費が高めになる。

⑤リフォーム専門会社

クロスの張り替え、水まわり設備の交換、外壁・屋根のリフォームやエクステリア工事など、業者によって工事範囲は異なります。

地元密着型の会社も多く、建築士・コーディネーター・介護福祉士など専門的な知識を有したスタッフが在籍している業者も多い。

価格やシステムが会社によって千差万別で、なかには悪徳業者と呼ばれるところも…

⑥家電量販店、ホームセンター、水道・電気・ガス会社

家電量販店やホームセンターも、水まわり設備の交換、ウッドデッキの取り付けなど、大手メーカーの既製品を中心に施工するリフォームサービス部門を抱えているところが増えています。

水道・電気・ガスを供給している会社の系列店でも、水漏れ修理や、電気配線工事、給湯器の交換、ガス配管工事など、それぞれの専門分野を活かしたリフォーム事業を行っている場合があります。

単品の設備交換などは金額を抑えやすい。店舗の展開状況によっては、大手であるという安心感もある。

大掛かりなリフォームの場合、工事内容によっては、対応が難しい場合もある。

⑦住宅設備メーカー

キッチンやバス・洗面などの住宅設備メーカーがリフォーム工事まで請け負い、全国の提携工務店が施工をすることもあります。

大手企業としてのブランドイメージによる安心感があり、すでに商品が決まっている場合に利用しやすい。

当然ながらメーカーがひとつに限定され、多岐にわたる工事の場合、複数からのメーカー商品が選べない。

⑧インテリアショップ、家具メーカー

有名といえば「無印良品」や「IKEA」があり、形態としてはリフォーム専門会社に近いです。

ショップや家具のブランド自体が好きな場合、ブランドの世界観を最大源に活かし、イメージの統一感が得やすい。

家具などインテリア商品が中心のリフォームになるので、トータルコーディネーションを優先した大掛かりなリノベーションに向き、小規模なリフォームではメリットが活かしきれない。

こんな業者は選んではいけない

業者の違いがわかりましたが、では、どんな業者を選んだらいいのでしょうか。

次のような業者は選べば、リフォームは失敗する可能性が高いですよ。

打ち合わせに時間をかけない、書面に記録を残さない業者

十分な打ち合わせをしないまま、なんとなくリフォームを行ってしまうと、心から満足できる住まいは手に入りません。

また、言った言わないなどのトラブルを防ぐために、信頼できる業者なら、打ち合わせ内容は必ず書面に残すようにしています。

とにかく安い業者

リフォーム会社を選ぶのに、「価格だけ」で選ぶのは危険です。

他の会社よりあまりにも安い価格を提示している業者は、材料や職人の質を落としたり、必要な工程を省略するなど、なんらかの「手抜き」を行っている可能性も…。

知り合いや紹介というだけで選んだ業者

とても多い失敗が、安易に「知り合い」に依頼してしまうことです。

「知り合い」や「紹介」だからといって、必ずしも工事の質が上がったり価格が安いわけでもなく、かえってなにか不都合が起きたとき、遠慮して泣き寝入りしてしまう場合が多いからです。

契約を急がせる業者

「今日契約すればお得です」「お客様だけ特別にお安くします」などと言って契約を急がせるのは、その会社が「リフォーム工事」より「営業」に力を入れているからです。

「お得」や「特別」といった言葉を鵜呑みにせず、契約は自分の意思とタイミングで行うようにしましょう。

呼んでもいないのに自宅に訪れる業者

全ての訪問業者が悪いと言うわけではないのですが、圧倒的に詐欺まがいな業者や高額な工事を契約させる悪徳業者が多いのです。

優良な会社は飛び込み営業や電話営業はしないので、こういった業者はできるだけ避けた方が良いでしょう。


失敗しないためには、計画と準備と確認を

しっかりとした業者選びをしても、いざ工事が始まると、大なり小なりリフォームにトラブルはつきものです。

失敗のリスクを軽減するためにも、最初に自分自身でしっかり準備して確認することが大切です。

準備すること
  • いきなり業者にお願いするのではなく、自分の「こうしたい」という希望を整理し、明確にする
  • すべてを人任せにしない
  • できれば自分でも勉強して、あこがれだけでなく、客観的に判断できる選択する眼を養う
確認すること
  • しっかりとヒヤリングをし自分の要望に沿った提案をしてくれるか、会社側の意見を押しつけてきていないか
  • メリットだけではなくデメリットもしっかりと説明してくれるか
  • 保証・アフターサービスの内容はどうか
  • 業者を選ぶ際には「相見積もり」をとることも大切

住まいは、工事期間だけでなく終わった後からもお付き合いが必要となってきます。

まず担当者との相性が重要で、何でも気軽に言える会社を選ぶことが、スムーズにりフォームを進めていけるのです。

自分の想いや希望を明確にすると言っても、なかなか自分の事を客観的に見るのは難しく、案外わからないものです。

そんなとき、家族以外で、中立な立場で相談に乗ってくれる相手がいれば心強いですね。

まとめ

どこに依頼するかによって、費用だけでなく、設計、デザイン、設備など、リフォームの内容自体が大きく変わってくることもあります。

だからこそ、リフォームの成功・失敗を決めるのは、リフォーム内容にどれだけ「納得」できたかどうかということ。

納得できるリフォームのためには、納得できる業者を選ぶことです。

リフォームは業者選びにかかっていますよ!

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